2022年10月21日

ロボカル×リモートロボティクス 対談企画
“リモート”がロボットにもたらす価値とは

昨今の人手不足の解決手段として多いに期待されるロボット。一方で完全自動化には課題があることも事実。人に寄り添い、リモートロボットで事業者とワーカーを繋ぐサービス「Remolink」の普及に向け、現在の課題から将来の展望まで株式会社ロボカルCTO日比野 学さんと一緒に考えてみました。

田中 宏和|たなか ひろかず (写真右)

リモートロボティクス株式会社 代表取締役社長

日比野 学|ひびの まなぶ (写真中)

株式会社社ロボカル 取締役 CTO 最高技術責任者

1978年 愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学大学院 修士課程終了。
自動車部品メーカー/ロボットSIer事業を手掛けるアスカ株式会社(名証上場企業)に入社。
子会社の株式会社 MIRAI-LABにて代表取締役社長として活躍。
2021年に株式会社ロボカル 取締役CTO 最高技術責任者として参画。
「お客様のやりたいことを叶える」をモットーにロボットで世界を豊かに。していきます!

田中 泉|たなか いずみ (写真左)

司会

元NHKアナウンサー。「ニュースウオッチ9」リポーターや「クローズアップ現代+」キャスターを経て現在はフリーでインタビューや司会を中心に幅広く活動。




現在の社会、そしてロボット業界が抱えている課題

– 田中 宏和
事業検討にあたり、様々な事業者様にヒアリングをしましたが、どこも「人手不足」。
製造業だけに限らず、物流、建設、農業などのあらゆるB to Bの産業の全てにおいて人が足りていません。
また、3Kと言われる業務などで「危険業務からの解放が進んでいない」という課題もあります。
ロボットを使って自動化を進めたいという事業者様の思いはあるのですが「技術的な完全自動化への壁は高く、費用対効果も得られない」という声も課題としてあります。


– 日比野
我々ロボカルもユーザー様をお伺いするとほぼ100%のユーザー様が人手不足と仰っています。
人手不足を解決する方法として、ロボット化・機械化が求められますが、そもそも、そのロボットの導入支援をするSlerさん、ロボット設備メーカーさん自体が人材不足に陥っている、という課題もあります。
そのような課題の解決に、リモートロボティクスさんの取り組みが有効と感じています。


– 田中 宏和
日比野さんが仰いましたように、SIerさん、ロボットメーカーさんから “完全自動化のハードルの高さ” 特にコストと納期のバランス感の課題、
またお客様のご要望の範囲が幅広く、その要望に対応できる人材不足の課題を伺っています。
特にエンジニアリング能力、ソフトウェアの人材不足が顕著で「既存の事業に手一杯で新規事業を開拓する所まで出来ない」といった悩みをお聞きしています。
またワーカーさんが抱えている「働き方の選択肢が広がらない」という課題もあります。
1日に2~3時間なら働ける子育て世代、お身体に障害をお持ちの方々、キャリアは十分でノウハウ・スキルのあるシニアのワーカーさん、このような方々の働き方の選択肢が広がらない、という現状を課題として聞いております。


– 田中 泉
私も今子育て中なので小間切れなら仕事ができるのに、という気持ちがよくわかります。


– 日比野
我々ロボカルも、事業者さんワーカーさんとロボットを繋ぐ事業をしています。
ここにも場所とタイミングという課題があり、せっかく技能を持って求められる人材にも関わらず、ロケーションの条件などが合わなく、マッチングが成約しません。
また、労働意欲があり副業として働きたい、という希望があるにもかかわらず、移動時間がネックで成約しない。このような事は明らかに社会的損失です。
せっかくの技能が埋もれてしまうので、これらの課題解決に、リモートロボティクスさんの取り組みで光が見えてくるのでは、と思っています。


課題に対してどのような価値の提供が出来るのか

– 田中 泉
社会、そしてロボット業界のニーズに対し、どのような価値を提供していけるのでしょうか。


– 田中 宏和
事業者、ワーカー、そしてロボットSIer・メーカーの抱える課題解決のために、しっかりと商品及びサービスという形で寄り添っていきたいと思っています。
具体的には、システムアップツールとしてSDK・APIのご提供といった形で遠隔からロボットを制御できる仕組み
加えて、ワーカーさん向けのトレーニングや、タブレットなどを使ったロボットの遠隔操作作業の実行、事業者さんに向けては遠隔でモニタリングできるスキーム、工程の管理・改善などができるサービスを提供し、いずれはジョブのアサインやマッチングまで広げたいと思っています。


– 田中 泉
実際のプロダクトは今年以降とのことで非常に楽しみですね。


リモートロボットのプラットフォームを通じてどのような未来を目指しているのか

- 田中 宏和
やはり「人に寄り添う」がベースとなる考えです。
人にしっかり寄り添って、人とロボットのリモートによる新しい働き方、これを提案していきたいと思っています。
ワーカーさん・事業者様・ロボットをしっかり繋ぐプラットフォームを通じて
事業者様には、3K環境からの開放、安心安全のご提供、人手不足の解消、あとは作業の質と量をしっかり担保し増やすことを考えております。
ワーカーさんにとっては仕事の幅を増やし、雇用機会の拡大、社会への参画を積極的に促していきたいと思います。
日比野さんも仰っていたシステムインテグレーターの方に関しては、新規事業の開拓・サポートをしていきたいと思っています。
このような事業を展開するのは1社だけではできないですし、親会社であるソニーグループ、川崎重工だけでもできません。多くの賛同いただける方々・企業・団体の皆さんと一緒に連携をし、この社会課題というのを一緒に解決していき、全ての人々が社会参加できる新しいリモート社会を提案していきたいと思っています。
一番はやはり、ワーカーの皆さんが働いていて楽しいとワクワクするような仕事・働き方の提案をしていきたいと思っています。


- 日比野
「ロボット業界に大きな変革の時が来た」という風に感じています。
その変革の渦を大きくするためにはソニーさんや川崎重工さんだけでなくロボカルのような存在も参画させていただいて、より大きな変化を促していくことが求められていることだと思います。
社会課題を解決するスケールの大きな話かなと思っていたのですが、ソニーさん川崎重工業さんロボカル、その他ロボット業界の方々、リモートロボティクスさんが提供されるサービスを理解するメンバーが集結すると、意外と早く実現できるのでは、という実感が湧きワクワクしてきました。


- 田中 宏和
やはり一社だけではできない社会課題の解決を、本当に賛同いただける方々と一緒にやっていきたい。
SIerさんやロボットメーカーさん、ワーカーの方含めて、この輪をさらに大きくしていきたいと思っています。




本対談は株式会社ロボカルの公式YouTubeチャンネルにて公開されています。動画も合わせてご覧ください。

前編:https://youtu.be/H09MgpdF3sk
後編:https://youtu.be/ucjrKA7mmB4

株式会社ロボカル
https://robokaru.jp/

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